学年部長 挨拶


 学年団の教員を代表して挨拶させていただきます。 まず最初に、10期生の皆さんにとって、学年部長は誰なのか?
 「毎年代わるから、よくわかりません」
 そんな答えが返ってきそうです。 では皆さん、学年部長が代わると教育が変わってしまいましたか?それは違います。 今日は卒業式の日ですから、須磨学園中学校の3年間それぞれを一言で、振り返ってみたいと思います。

 最初のJ1学年。中学生とは?いや、正しくは須磨学園生とは何なのかを、教わりました。 次にJ2学年。世界への扉を開きました。 そしてS1学年。高等学校の勉強をはじめました。
 これらは、すべて違った内容です。つまり、学年部長により教育方針が変わったわけではありません。 皆さんが過ごしてきた3年間は、それぞれ違っていたということです。その証拠に、皆さんと3年間、ともに過ごした日下部先生、岡田先生、小森先生は毎年人格が変りましたか? 姿形は、多少なりとも変ったかも知れませんが、ずっと同じ思いで皆さんに関わり続けたのではないでしょうか。 ですから、今日のこの日を迎えることができた皆さんに送る最もふさわしい言葉は、「卒業おめでとうございます」の前に、この言葉になります。
 「3年間、本当によく頑張りました」
 月並な言葉になりますが、勉強、文化祭や体育祭、研修旅行、部活動など須磨学園の多くのプログラムを3年間かけて経験し、成長したのではないでしょうか。

 では、皆さんにとっての3年目であるS1学年で、私は学年部長として何をしたのか? それは、10期生の皆さんに必要だと思うことを日々考え、実行しました。テストの採点は遅かったりしますが、日々、考え続けています。 その内容は、私が以前関わった6期生や7期生に伝えたことと同じではありません。10期生オリジナルです。
 例をあげてみましょう。 学習においては、皆さんの器用に学習する姿の裏側に、真の学力への疑問を感じました。 そこで、SUMAX講座です。SUMAXなんて単語は、英語の辞書にはもちろん載っていません。どこかの塾に存在したり、他の学年の講座にも存在しません。だって、名づけの親は日下部先生ですから・・・。 海外の学校との交流会においては、皆さんの交流会での姿を見、意見を聞き、個別交流を充実させる10期生ならではの交流会を熟成させています。 アメリカ研修旅行では、小さいとは言え、体育祭をおこないましたね。10期生だけです。 私は、皆さんにとって、耳の痛いことも言っているかも知れませんが、10期生の皆さんに、絶対に必要だと思うことを言い続け、実行し続けています。そして、この場で宣言したい。
 「これからも言い続けたい!」

 これが2つ目の言葉です。許される限り、学年部長を務めます。よろしくお願いします。 小学校時代、受験勉強に力を注ぎ、手にした須磨学園中学校の生活。それは、今日で終わりを告げます。私からのお願いです。 今日、おうちに帰ったら、おうちの人に「卒業おめでとう」と言ってみてください。 須磨学園中学校入学まで、そして須磨学園中学校での生活を支えてくれた最高のサポーターは、おうちの人ではないでしょうか。 その言葉に対し、意味がわからないと言われたら、「ありがとう」と伝えてください。同じ意味です。
 ところで、4月からの須磨学園での生活は、須磨学園の特色のある教育を一通り経験した皆さんにとっての意味は変ります。それは何か。 6年間の折り返し地点を過ぎた皆さんの須磨学園での生活は、なりたい自分になるための旅に変ります。 具体的には、どこの大学に入学式するのか、社会に出て何をするのか、と言ったことかも知れません。この続きは、入学式においておきます。

 話を戻します。須磨学園生の前半戦(中学校生活)のために、小学校時代に鍛錬した。あえて、それを訓練と言いましょう。 須磨学園生の後半戦(高校生活)は、なりたい自分になるための訓練になります。 訓練というと、厳しく険しい道のりに感じますが、皆さんには3年間でつくりあげた仲間がいます。一緒に進んでいく道のりです。不安はありません。そこに私も同行したいと思います。
 アメリカのNASAでお話を聞いたボブ・スプリンガーさんは、宇宙は怖くないのか?という質問に自信を持ってこう答えておられました。
 「十分な訓練をしたので大丈夫」
 「クルーを信頼しているから大丈夫」と。
 皆さんは須磨学園で、スプリンガーさんが言われたような言葉が出るほど、中学校生活で訓練したと思います。自信を持って、高校生になってください。 最後になりますが、 もう一度、言って、私の挨拶を終わりにします。
 「3年間、本当によく頑張りました」

2016年3月18日 学年部長 吉田 泰明