誓いの言葉


 2013年4月6日、まだ幼かった私は須磨学園へと続く長い坂道と階段を、家族と共に登ってきました。 友達ができるかどうか、英語の授業についていけるかどうか不安がある一方で、ずっと持ちたいと思っていた携帯電話やノートパソコン、 また海外研修旅行といった須磨学園ならではの学園生活が始まる事に期待を膨らませて入学式を迎えました。 あの日からもう3年が経ちます。思い返せば、とても充実した3年間でした。 毎日、課題や小テストに追われ、気づけば定期考査の直前ということもありました。 そんなたいへんな勉強の間にもたくさんの楽しい行事がありました。

 特に思い出深いのは、合唱コンクールとアメリカ研修旅行です。
 合唱コンクールでは、お互いにぶつかりあうこともありましたが、金賞を目指して懸命に練習しました。 放課後遅くまで練習し、机や椅子の片づけをするときも歌を歌い、本番前は乳製品をとると喉によくないからと言われ、制限もしました。 またラジオ体操をしながら発声の練習をする、そんなふうにクラスで工夫しながら本気で取り組む合唱の練習が、私は大好きでした。 結果、2度優勝することができ、努力が実った喜びを知りました。
 アメリカ研修旅行では本物を見るという感動がありました。特にNASAでは、本物のスペースシャトルを見てとても興奮したことを覚えています。 また、宇宙飛行士の方のお話を聞くことで、あきらめずに挑戦し続けることの大切さや、困難な状況に対してポジティブに考えることの大切さも学びました。 ニューヨーク近代美術館では、ゴッホの「星月夜」を見たいと思っていました。 実際に見てみると、ゴッホの荒々しい筆使いが感じられ、圧倒されました。

 このような有意義な体験をする機会を作ってくださった理事長先生、学園長先生本当にありがとうございます。 また、いつも厳しくも温かい目で私たちを見守ってくださった先生方、そしてどんなときでも私たちのことを一番理解し、支えてくれた家族にもとても感謝しています。 親に対して生意気なことを言ったり、わがままを言ったりすることも多々ありました。 また先生方に対しては、宿題の提出が遅れ、ご迷惑をかけたこともありました。 指導していただくことが多かった私ですが、高校では、家族や先生方に頼りすぎず、自分自身でまずしっかり考え、周りの状況も判断して行動します。 しかし、大学進学やそのあとの将来のことなど、不安にかられたり、道に迷うことがあると思います。その時は、よろしくお願いします。

 10期生のみんな、入学式で入学生代表の峯さんが誓った言葉を覚えていますか? その宣誓には「協力」という言葉が7回も出てきていました。私たちは入学式で誓ったように協力してくることができたでしょうか? 行事のたびに私は、みんながそれぞれのリーダーの言うことに協力し、助け合っていたと感じていました。 これからもみんなで協力して、行事を成功させていきましょう。一人一人の力は小さくても、それが集まればきっと大きな力になるはずです。 そして、これからも仲間として、よきライバルとして学業や部活動に励みましょう。また、喜びも悲しみも分かちあい、もっともっとたくさんの思い出を作り、「絆」を深めていきましょう。 須磨学園の中高一貫10期生という節目の私たち。 私たちが今までの須磨学園の歩みをしっかりと受け継ぎ、新たな歴史を刻みましょう。そしてそれぞれのなりたい自分を目指し、お互いの夢に近づいていきましょう。 先生方、私たち10期生は新たな気持ちで、お互いに「協力」し合い、お互いの「絆」を深めていくことをここに誓います。 これをもちまして誓いの言葉とさせていただきます。

2016年3月18日 卒業生代表 秋岡 恵理菜