学園長 式辞


 桜の花が満開の今日、皆さんの新しい須磨学園の学生生活がスタートします。おめでとう。須磨学園は教職員一同準備を整えて、大きな喜びをもって今日、皆さんを迎えることができました。

 須磨学園の一番のスローガンは、「なりたい自分になる」ということです。言葉としてはとてもシンプルですが、自分の夢を実現するということは、人間としてとても本質的な、大切なことだと思います。

 どのような自分になりたいのか。それを自分自身に問いかけることから、全ては始まります。
 すぐに見つかる人もいれば、なかなか見つからない人もいるでしょう。漠然とした夢でもいいのです。身近なささやかな願いでもいいのです。毎日、毎日、少しずつ、少しずつ、具体的なイメージに近づけてゆくことが大切です。それには、忘れずに毎日、自分自身に問いかけ、実現の方法を考え続けることが大切です。それが須磨学園のタイムマネジメントです。

 みなさんの入学の準備をしていた時に、学年の部長が『学習の手引き』の一番最初のページの原稿を持ってきました。中学1年生の諸君にわかりやすく書いてありました。私は、その原稿を「中学生を中学1年生と思わないで、ひとつの人格をもった生徒として、子ども扱いしない文章を書いてほしい」と言いました。ですから、みなさんが読まれる『学習の手引き』は、少し難しく書いてあります。でも大丈夫です。1回でわからなければ、2回読めばいい、2回でわからなければ、3回読めばいい。必ずわかります。

 中学の入学の成績と高校を卒業成績は全く関係がありません。いつごろからその成績は固定していくのかというと、それは中学校3年生からだと、私は、この何年かをみていて、思うようになりました。ですから中学に入学できたからといって、この中学1年生と中学2年生のこの2年間を遊ばないでほしいと思います。手を抜かない一生懸命の勉強、手を抜かない一生懸命のクラブ活動を続けてもらうことで、全員が勝てる、そういう中学時代になるよう、深く、強くお願いをしたいと思います。

 長崎と広島を訪問する平和学習、飛鳥、奈良、京都、東京を訪問する首都めぐり、アジア、ヨーロッパ、アメリカを訪問する世界旅行といったことも、日本の文化や歴史に目を向け、また日本以外の広い世界に目を向けることの重要性を認識してほしいからであります。

 私の話の最後にいつも言うことですが、私の大好きな言葉を聞いて下さい。「夢に日付をいれましょう。そうすれば、夢はもはや夢ではなく、人生の目標になります。」

 須磨学園では皆さんの「なりたい自分になる」という目的に向けてのサポートを教職員一同全面的に行います。

 学校にいたら、必ず目に付くところに張り紙をしました。お読みになったと思いますが、もういちど、ここでくり返させてください。 生徒のみなさん、何か難しいこと、大変困ったことに出会ったときには、必ず周りを見回して、そこにいる先生をつかまえて、話しかけるように心掛けて下さい。

 須磨学園の教員・職員一人一人は皆さんの力になりたいという情熱では誰にも負けません。 皆さんの大切な六年間を、さあ、一緒に、しっかりと、歩んでいきましょう。


2008年4月5日 学園長 西和彦