学園長 式辞


 桜の花が満開の今日、皆さんの新しい学生生活がスタートします。おめでとうございます。須磨学園は教職員一同準備を整えて、大きな喜びをもって皆さんを今日、迎えることができました。

 須磨学園の一番のスローガンは、「なりたい自分になる」ということです。言葉としてはとてもシンプルですが、自分の夢を実現するということは、人間としてとても本質的なことだと思います。

 どのような自分になりたいのか。それを自分自身に問いかけることから、全ては始まります。
 すぐに見つかる人もいれば、なかなか見つからない人もいるでしょう。漠然とした夢でもいいのです。また身近なささやかな願いでもいいのです。毎日、少しずつ、少しずつ、具体的なイメージに近づけてゆくことが大切です。それは、毎日、忘れずに、自分自身に問いかけ、実現の方法を考え続けることが大切です。それが須磨学園のタイムマネジメントです。

 私の人生を振り返ってみると、人に自慢できることがひとつだけあります。「こんなことがしたいなあ」とか「こんなふうになったらいいだろう」といったことを、これまでたくさん、具現化してきたことです。
 人からみたら荒唐無稽に感じられることも、真剣に実現できると信じて、というより、具体化するプロセスそのものに、意味がある。その方法を考えることがとても楽しく多くの夢を実現してきたと自負しております。
 もちろん失敗もたくさんあります。でも何もしないよりも、トライし続けててきたことが私の一番の宝物です。私は、いつも「なりたい自分」をイメージしてきました。

 須磨学園は須磨学園の教育についても、いろいろトライしています。広島を訪問する平和学習、飛鳥、奈良、京都、東京を訪問する首都めぐり、中学においてはアジア、ヨーロッパ、アメリカを訪問する世界旅行といったことも、目を日本文化と歴史の内に向け、また日本以外の広い世界に向けることの重要性を認識してほしいからです。

 先日、私の高校の仲間とともに雑誌の取材に応じました。私の高校時代なんて、四十年近く前のことになります。でも会った瞬間、我々はすぐにこの四十年間をタイムスリップしました。たくさんの思い出とともに、皆が持っていた夢がよみがえりました。そして幸運なことに、卒業して四十年、皆がその夢にとても近いところにいました。一生懸命切磋琢磨した青春時代が思い起こされます。
 その時代を、その時間を共有できたことを心から幸せに感じ、有難いと思いました。学校はそういった仲間とともに自分の夢を育む場所でもあるのです。
 これからは一日の大半を過ごすことになるこの場所で、仲間とともに楽しく、自分自身を磨いていってほしいのです。

 話の最後にいつも言うことですが、私の大好きな言葉を聞いて下さい。「夢に日付をいれましょう。そうすれば夢は人生の目標になります。」

 須磨学園では皆さんの「なりたい自分になる」という目的に向けてのサポートを教職員一同全面的に行います。
学校にいたら、必ず目に付くところに張り紙をしました。お読みになったと思いますが、もういちどくり返させてください。

 生徒のみなさん、何か難しいこと、大変困ったことに出会ったときには、必ず周りを見回し、そこにいる先生をつかまえて、話しかけるよう心掛けて下さい。

須磨学園の教員・職員一人一人は皆さんの力になりたいという情熱では誰にも負けません。 皆さんの大切な三年間を、さあ、一緒に、しっかりと、歩んでいきましょう。

2008年4月5日 学園長 西和彦